明日へ
どの本を読み終えても
何も変わりはしない
抜き取った栞の先から溢れた
ああ……退屈な言葉
線路沿い歩いた夜中
星は明かりを休めて
終電に乗り遅れた人々に紛れ
何かを恨んでいた
時代が悪いだとか
周りが冷たいだとか
掃いて捨てる文句はもう止そうぜ
何かを信じた奴らの勝ちさ
それぞれの輝くであろう明日へ
いつか辿り着けるなら
バカもやってドジも踏んで
間抜けにべそかいて
“俺たち”を今日も
生きていこうぜ
「誰かの為 あなたの為」
できればいいのに
時にそれが
「誰かの所為 あなたの所為」
に変わる
ずるいもんさ 心
線路沿い歩いた夜更け
星は紫に霞んで
始発に間に合った人々は誰もが
眠たげに目をこすった
夢を語れだとか
夢は叶わないだとか
勝手な言葉はもう聞き飽きたわ
信じて 失って それでも信じて
音楽の音も静まった街に
訪れて残るのは?
喜怒哀楽の“喜”と“楽”を多めに欲張って
これからの今日を謳歌してやれ
変わらない 変われないことを
嘆いた日もあった
足を止めない連中に急かされた夢は
どこかで俺を置いていってしまったが
でもそれぞれの輝くであろう明日へ
きっと辿り着けた日は
疲れた面しながらでも
笑えるだろうから
“俺たち”を今日も
生きてきたんだ
何度も何度も信じ重ねて
俺たちは今日も
生きていた
明日へ
2012.2.13作