星になる


「ねえ 綺麗ね」
「ああ 綺麗だね」
「どうして人は 星に願うの?」
 

誰もが叶わないと
知りながら 解りながら
なんて わりないものだね
 
頭上の星々が奏でるは 喜びの白
夜を通し 語りかけてくれるもの
と決めている僕らは わがままだな

貴方の願いが
溢れていく 零れていく
落ちて 散り散りに 消えていく

僕には届くのに 何故なの?
悲しい

遠くの光じゃ
強烈な気持ちさえ
あまりに小さすぎて見えない

だから この距離で僕が
星になる


「今日いやなことあったの」

僕には聞こえているよ
だって こんなに近いだろう

頭上の星々を押し潰すは 悲しみの黒
星のようにある幸せを
誰も彼もが気づかないまま
夜を嘆いた……


貴方の願いが
溢れていく 零れていく
落ちて 散り散りに 消えていく

僕には届くのに 何故なの?
悲しい

遠くの光じゃ
強烈な気持ちさえ
あまりに小さすぎて見えない

だから この場所で僕は……

貴方の願いが
溢れていく 零れていく
落ちて 散り散りに 消えていく

でも僕に届くその声は
いつまでも優しい

遠くの星には
煌めいた貴方さえ
あまりに小さすぎて見えない

だから この距離で僕が
貴方の 星になる

 

 

                                2013.9.9作

 

 

 

 

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