せきじつ

 

 

ひとすじの 汗は夏日に
歩いていた

畔の上
風に倒れる 稲を見た

虫あみでとった 青い空
見えるだろうか
僕たちは まだ……

遠く 遠く 伸びる影
いつか地平に 届くような気がした


いくすじも 汗は夏日に
走っていた

畔の上
誰かのために 石をけった

小さい手の中 小さな手
解けないように
汗ばめていた

追い 追い 今は夢
あれから時は いくつもひを消した


石蹴った時 生命の滴は零れた
考えなかった
未来なんて

あの手いっぱいに空 つかまえて
駆け抜けた


遠い 遠い 君の影へ
小さくなるから 大きく手を振った
見えるだろうか

まだ……

遠い影
畔端の石 汗の滴消えた

 

 

                              2008.10.12作

 

 

 

 

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