地球儀

 

 

夢にまで見た 世界の裏側へ 目を凝らし
旅立ち纏う 匂い 手で回せば どこへでも 行けた
簡単さ
“晴れ渡る今日の空を越えたい”
思ってりゃいいだけさ
その迷いを 下ろして 一度きりの 羽を感じて

いつか聞いた 風の音は この部屋にたちこめていた
千切れた景色 集めて 結いつけた 裏の空
その 小さな手に託され イメージは 回り始めた
僕の掌の中にだけ 拡がる 小さな空


あの 地平線
向かう道が 一つも無いとしても
踏み込む その 一歩目が 自由ならば
可能性が ほら 見えた
簡単さ
“限りある今日の空を越えたい”
願ってりゃいいだけさ
その諦めを 下ろして もう一度 羽を感じて

いつか聞いた 風の音は まだ この部屋に響いた
時間をはみ出した羽で 打ち撫でる 小さな空


そのイメージを 含んだままglobeに 手をかざせば
二度 三度 いや 何度でも
飛べるから
夢の世界へ


いつでも 簡単さ
“限りない今日も明日も超えたい”
思ってりゃいいだけさ
歪な空 眺めて 何度でも 羽を感じて

いつか聞いた 風の音が からから 回り始めた
僕の掌の中にだけ 拡がる小さな空
時間をはみ出した羽で 空を 今を 超えたい
可能性のイメージを 拡げて……

夢の世界へ

 

 

                               2008.6.13作

 

 

 

 

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