ガードレール

 

 

ニュースで流れた 「今夜は何年振りかに星々が泣くように降る」って

チャリのベルが通り 二人が手を振り待っていた
忍び足で玄関を抜けた

ガードレールの裏 三台の自転車 家族に内緒して 夜に紛れていた


夢を語る丘 自転車を適当にして 急ぐ足は坂道殴った

呼吸も切れ切れ 草の上座って手をついて
しわくちゃの顔を空へ投げた

ないだ丘の上 七色の星空 今ある光景に 呑まれた声で 「キレイ……」


願いの流れ星 僕らは待つばかり 何を願うのかは 誰も言わなかった


「なかなか降らないな……」 そうぼやいた誰かの声で 掴みかけた夢は落ちてった

皆の好きな人 帰り道で聞いてみよう
星に背を向け 夜を降りた

落ちる町の灯り 落ちない流れ星 過ぎる車の音 同じ景色ばかりで

自転車押しながら 白む夜空の下 皆好きな人が 同じで笑った

 

ガードレールの裏 三人と自転車 誰かに内緒して 夢を走らせていた

 

 

                               2007.7.20作

 

 

 

 

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